ソーとロケット・ラクーン……映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は様々なキャラクター同士の組み合わせが見られるのが魅力だが、この2人のやり取りは特にユニークだった。アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督はなぜこの2人をペアに選んだのだろうか?
※以下の記事には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の内容が含まれます。
Source:Comicbook
全てを失ったソー、その旅路は?
ルッソ兄弟は、アベンジャーズ公式Twitterで、ファンからの質問に答えた。その中で、ソーとロケットの組み合わせについて、こう語っている。
ジョー・ルッソ「映画の中でも好きなシーンの1つだね。ソーはこれまでの映画の中でも、最低の状態にいる。彼は全てを失った。そしてロケットとパートナーを組んだ。ロケットはマーベル・ユニバースの中でも、たぶん最も感傷的じゃないキャラクターだ」
ロケットは――根っこの部分はともかくも――表面的には皮肉屋で冷笑的で、おいそれと他人に同情するタイプではない。そんな2人の、ニダベリアに向かう宇宙船の中での会話は、屈指の名シーンになった。
「ソーが――あるレベルで――他人への共感を欠いているキャラクターに、自分の心情を吐き出さなきゃならないとしたら、そしてそのキャラクターに何かしら影響を与えるかどうかを見るとしたら、面白いペアだと思ったんだ。僕らがあのシーンを気に入ってるのは、あれが複雑だからだ。こっけいで、おかしく、そして完璧に悲劇的なんだ」
『マイティ・ソー バトルロイヤル』の中で、ソーは父親オーディンと故郷アスガルドを失い、『インフィニティ・ウォー』の冒頭ではまた、親友のヘイムダル、そして弟のロキをもサノスによって殺される。正に何もかも失ったソーは、『バトルロイヤル』で見せたやけくそ気味の前向きさを表向き維持しつつも、泣き笑いで語る表情には、どうしようもない哀しみを溢れさせていた。
アンソニー・ルッソ「あそこは、彼には何も残っていないということを観客が本当に理解する初めの瞬間なんだ。ストーリーテラーとしての僕らにとっては、全てを奪うというのが、キャラクターを掴むのに素晴らしい機会なんだね」
「それはキャプテン・アメリカに対して、これまでの作品で僕らがやろうとしてきたことなんだ。ソーを同じような状況に置いて、全てを奪った後、ソーに何が残っているのかを発見することができる。ストーリーテラーの僕らにとっては、素晴らしい旅路だよ」
果たして、再びサノスに敗北を喫した後、『アベンジャーズ4(仮)』ではソーにどんな運命が待っているのだろうか?
そして、目の前で息子同然のグルートを、そしてネビュラを除く仲間のガーディアンズをも失ったロケットは、ソーと同じ状況に身を置くことになる。
この2人にどんなドラマが待っているのかも、『アベンジャーズ4』の大きな見どころの一つだろう。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』Blu-rayは9月5日発売。