『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のラスト、全宇宙の生命の半分を消滅させ、全てのマーベルファンを絶望のどん底に叩きこんだ、サノスの指パッチン。
しかし脚本家スティーヴン・マクフィーリーによれば、実はあの指パッチン、続編である『アベンジャーズ/エンドゲーム』で実行されていた可能性もあったらしい。
Source:Empire
あのエンディングを決行したファイギの英断
マクフィーリー「インフィニティ・ウォーの脚本の初期稿では、たくさんのストーリーがあったから、むしろ僕らはエンドゲームの第一幕の終わりまでは、スナップ(指パッチン)はすべきじゃないかもと考えていたんだ」
しかし、製作のケヴィン・ファイギにとって、あのスナップは単にインフィニティ・ウォーのエンディングではなかった。ファイギは長い間かかって、あのエンディングの実現まで積み上げてきたのだった。
「我々はあのエンディングについて、何年も何年も何年も話し合ってきた。あれが『インフィニティ・ガントレット』(原作コミック)を映画化する理由だ。我々にできる最もショッキングなことはなんだ?映画をスナップで終わらせることだ」
原作コミック『インフィニティ・ガントレット』では、既にガントレットを完成させていたサノスが死の女神デスの関心を引くために、映画と同様に指を一つ鳴らしただけで全宇宙の生命の半分を消滅させる(ちなみにこれはもともと、生命と死のバランスが取れていないと考えたデスがサノスに課していた任務であり、サノス的には脈略が無い行動ではない)。
原作コミック版の指パッチン
そこからアベンジャーズを始めとした地球のヒーローたちが結集し、サノスに絶望的な戦いを挑む……というストーリーである。
しかし原作を知っている人でも、「まさか映画で本当にやるとは思わなかった」という人が大半なのではないか。しかもコミックでは序盤……つまり前振りだった半分の生命の消滅を、映画の結末にもってきた。最高のクリフハンガーだ。
観客の反応を見るに、ファイギの判断は正しかったと言えるだろう。素材(コミック)をうまく料理することでさらなる傑作を生みだすMCUの真骨頂である。
そして、多くの才能が結集しているマーベル・スタジオだが、シリーズ全体の流れを決める重要な判断は、やはりファイギが決定してるということがよくわかるエピソードだ。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、2019年4月26日(金)全国公開!