映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のラスト、サノスのスナップにより多くのヒーローが消滅したが、中にはその生死が不明なままだった者もいた。
その一人が、ブラック・パンサーの妹であるワカンダ国の王女シュリだ。『インフィニティ・ウォー』で灰になった中に入っていなかったため多くのファンが生存を予想。MCUでも最高の頭脳を誇る彼女は、サノス打倒の切り札になるのではと考える者までいた。
しかし、完結編となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』の最初の予告編で、行方不明者リストを表示したモニターには彼女の姿があった。
そしてその後、生き残り組はカラー、消滅組はモノクロの『エンドゲーム』キャラクターポスターが公開され、シュリはモノクロだったため、ようやく消滅が確定する流れになったのである。
一体、シュリの消滅は予定のうちだったのか?それとも、何かの事情で急きょ変更されたのだろうか?
そんな疑問に、『エンドゲーム』の脚本家コンビが答えた。
シュリの消滅は予定通り!脚本は一切変更なし
『アベンジャーズ/エンドゲーム』の脚本家コンビ、クリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーはPLAYLISTのインタビューの中で、シュリの消滅について触れた。
(外部の影響で、『エンドゲーム』の脚本を書きかえたことはなかったかという話題で)
──脚本を書いている段階では、観客が『ブラック・パンサー』にどう反応するかはわからなかったんですよね。シュリがこんなに人気になるとは知らなかった。
マルクス「良い例だ。彼女はスクリーンの上では消滅しなかったからね。(予告編で)死亡者の顔を見せるシーンでは誰の顔でもよかったわけだが、シュリの顔を映したのは、“シュリは生き残れなかったんだから、彼女がこれを解決するとは考えるなよ”と皆に知らせるためだったんだろう。しかし、我々がラボに戻って彼女を(脚本から)消去したとか、そういうことじゃないよ。彼女はスクリーン上では消滅しなかったから疑問に思ったんだろうが、我々にとっては疑問でも何でもないんだ」
「(消滅のシーンがなかったのは)ただ、嵩張りすぎてたからだ。生き残りに選ばれたのは、僕らがストーリーに意味があると考えたキャラクターなんだよ。3時間あっても、完璧に物語を描くには時間が足りなかったぐらいだ」
と、シュリの消滅は予定通りだったことを強調した。
彼女の活躍を期待していたファンにとっては残念な話だが、しかしながら、たとえ消滅したとしても、それは彼女が何も遺さなかったという意味ではないだろう。ご存じの通り、シュリは消滅の前までヴィジョンの額からマインド・ストーンを取り出す作業をしていた。コーヴァス・グレイヴの急襲により作業は中断してしまったが、それでも彼女が何か仕掛けを施していた可能性はある。
精緻に積み上げられた『インフィニティ・ウォー』の脚本だけに、シュリの消滅がスクリーンで描かれなかったことにも、何か理由があるのではと勘ぐってしまうのだが……。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、2019年4月26日(金)全国公開。