サノスとトニー・スタークの間には、ファンが思う以上の共通点がある――それが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の監督と脚本家たちが、彼らに親密な会話シーンを与えた理由だった。
※以下の記事には『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』本編、およびBlu-ray特典の内容が含まれます。
Source:Comicbook
サノスとトニー……2人のフューチャリスト
本国ではデジタル配信が始まった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、その特典のオーディオコメンタリーの中で、ジョー・ルッソ&アンソニー・ルッソ監督ならびにクリストファー・マルクス&スティーヴン・マクフィーリー両脚本家が、サノスとトニーの結びつきについて明らかにした。
タイタンの戦いでサノスがアイアンマンを凌駕し勝利を目前とした時、サノスはトニーに謎の共感を示す。
「お前がスタークか」「お前も知識に呪われた者だ」と。
そもそもサノスはトニーのことを知っていたのか?と驚いたファンも多いと思う。これについては、インターネット上では「ソウル・ストーンの力で知ったのではないか」などいくつかの推論があったように記憶している。
では、本当のところはどうなのだろう?
ジョー・ルッソ「トニーの天才科学者としての旅路は、すなわちアーマーの進化だった。このアーマーはトニーの持ちうる最上のもので、それはナノテクだ。彼は、彼が思いつく限り最先端のところまで行き、それでもサノスを倒すには不十分なんだ。実際それは、ただサノスを戦う気にさせる程度のものにすぎない」
トニーのアーマーの発展と、なにがなんでも世界を守らねばならないという気持ちの強まりは、その解決法は全く異なるものの、未来をその手で築こうとする考えの点で、トニーとサノスを似た者同士にしている。
クリストファー・マルクス「トニーとサノスの興味深い類似を理解するだろう。彼らは両方とも早い時点で何かに気づき、いつも、より賢くなることで対処しようとする。サノスは、トニー・スタークと同じぐらいフューチャリスト(※)だ」
※フューチャリスト=広い視点から未来を考え抜き、未来のビジョンを提示する者
ジョー・ルッソ「それがサノスが、最初のニューヨークの戦い(『アベンジャーズ』一作目)で、彼の計画を台無しにした人間として、トニーに気づいた理由なんだ」
つまり結論としては、アベンジャーズ一作目のラストからサノスはトニーに興味を抱いていたというのが真相らしい。
そして『インフィニティ・ウォー』を思い返してみると、最初のロキ、そしてガモーラを除いては、サノスが本気で殺そうとしたのはトニーだけだったということに気づくだろう。
ジョー・ルッソ「サノスは暴力的で残酷だ。面白いのは、鎧を捨てた時から、サノスはほとんど聖戦士のようになり、意図して人々を殺すことにエネルギーを費やそうとはしなくなったことだ。彼らが、自分の計画の脅威にならない限りはね。そしてトニーを除いては、ほとんど誰も計画の脅威にはならなかった。実存的にサノスに繋がりを感じているトニーを除いては」
いかがだったろうか?アベンジャーズの主人公的なポジションにいるトニーと、最大のラスボスであるサノスとの間に共通するものがあるというのが面白い。確かにサノスが「故郷のタイタンの人口問題をいち早く見抜き解決法を提示したが、狂人と言われた」というエピソードには、トニーと似たものを感じた。彼らは2人とも賢く、賢すぎるがゆえに他者に理解されにくい悲劇を抱えている。
しかし、もちろん、トニーがサノスと全く同じであるわけはない。
続編の『アベンジャーズ4(仮)』ではこの2人のライバル関係がより深く掘り下げられるかもしれない。トニーには、サノスとの違いが何であるか、ヒーローの魂が何であるかを、ぜひ我々に示してほしい。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』Blu-rayは9月5日発売。